FSRS用語解説: retrievability, stability, difficulty
復習日が決まる仕組みを、学習者目線で理解する

TL;DR
FSRSの用語は、今思い出せる確率、記憶が持つ長さ、そのカードの難しさとして考えると理解しやすくなります。数値を自分で計算する必要はありません。大切なのは、正直に評価し、カードを小さく保つことです。
FSRSを調べると、retrievability、stability、difficultyという英語が出てきます。設定を触る前にここで止まってしまう人は少なくありません。
この記事では、用語を毎日の復習判断に置き換えます。詳しい仕組みはFSRSアルゴリズム解説とFSRSとSM-2の比較も参考にしてください。
まずは3つだけ押さえる
Retrievabilityは、今そのカードを思い出せる見込みです。Stabilityは、記憶がどれくらい持ちそうかです。Difficultyは、そのカードが自分にとってどれだけ手強いかです。FSRSはこの情報をもとに復習間隔を調整します。
Retrievability: 今思い出せるか
復習画面で答えがすぐ出たのか、かなり迷ったのかは重要な信号です。あいまいに正解したカードをEasyにすると、スケジューラーは記憶が強いと判断しやすくなります。迷ったら厳しめに評価するほうが安全です。
Stability: 記憶がどれくらい持つか
Stabilityが高いカードは、次の復習まで長く待てます。低いカードは早めに戻ってきます。ただし、カードの作りが悪いと安定しません。答えが長すぎるカードや、複数の事実を一枚に詰めたカードは分割しましょう。
Difficulty: カードが手強い理由
Difficultyは学習者の能力を責める指標ではありません。内容が抽象的な場合もあれば、問題文がわかりにくいだけの場合もあります。同じカードを何度も落とすなら、設定変更より先にカードを書き直すべきです。Flicaは長いメモから小さなカードを作る作業を軽くできます。
用語を行動に変える表
専門用語は、次のように読み替えると使いやすくなります。
| 用語 | 学習者向けの意味 | 行動 |
|---|---|---|
| Retrievability | 今思い出せるか | 正直に評価する |
| Stability | どれくらい持つか | 継続して間隔を伸ばす |
| Difficulty | なぜ難しいか | カードを小さくする |
設定を触る前のチェック
FSRSの設定を見る前に、カード自体を確認しましょう。
- 一枚一事実にする
- 答えを長文にしない
- 問題文で答えを漏らさない
- 何度も失敗するカードは書き直す
- 設定変更は一度に一つだけにする
FAQ
FSRSの数式を理解する必要はありますか?
通常の学習では不要です。用語の意味がわかれば、なぜカードが出るのかを理解しやすくなります。
retrievabilityとretentionは同じですか?
同じではありません。retrievabilityは特定の時点の思い出しやすさ、retentionは全体として維持したい結果に近い言葉です。
difficultyが高いカードはどうすればいいですか?
まずカードを分割し、問題文を明確にします。設定変更はその後で十分です。
Flicaはどこで役立ちますか?
Flicaは資料から小さなカードを作り、間隔反復で復習する流れを軽くします。
用語は学習判断の道具です
FSRSの3語は難しく見えても、実際には今、どれくらい、どれほど難しいかという話です。
設定より先にカードを整えることが、復習効率を上げる近道です。
References
- Anki manual: FSRS documentation.
- FSRS project documentation and scheduler overview.
- SuperMemo: spaced repetition background.