FSRS vs SM-2: どちらの間隔反復アルゴリズムが勝つか
旧来の標準と現代のスケジューラの本当の違い

TL;DR
結論: <strong>FSRS</strong>は<strong>SM-2</strong>と同じ保持率を約20〜30%少ない復習で達成します。1つの硬直した式ではなく3つの記憶変数をモデル化するからです。SM-2は単純で実績があり、FSRSはデータ駆動で適応的。2026年の大半の学習者にはFSRSがより良い既定値であり、Flicaは既定でオンにして提供します。
SM-2は数十年にわたり間隔反復を牽引した1980年代SuperMemoのアルゴリズムで、クラシックなAnkiでも使われてきました。FSRS(Free Spaced Repetition Scheduler)は数億件の実復習で訓練された現代のオープンソース後継です。実用的な問いは単純です, 同じ保持率なら、どちらの方が少ない復習で済むか?
本記事は各アルゴリズムがカードを見せるタイミングを決める仕組み、公開ベンチマークで一貫してFSRSが効率的な理由、SM-2でも十分なケース、そして具体的な移行手順を説明します。数学の素養は不要です。
SM-2の仕組み
SM-2はカードごとに難易度係数(ease factor)を追跡し、復習成功時に間隔をそれで掛けます。当たれば係数分だけ間隔が広がり、外せばカードは最初に戻ります。優雅で予測可能ですが、すべてのカードが同じ挙動と仮定し、ただ一つの粗い数値でしか調整しません。
- 変数1つ, 間隔を広げる難易度係数
- 失敗でリセット, 一度外すとカードが最初に
- 固定ルール, すべてのカード・学習者に同じ式
- 透明, 理解と推論が容易
SM-2の弱点は硬直性です。あるカードが自分にとって本質的に難しく、別のカードが易しいことを区別できず、同じ式で扱います。
FSRSの仕組み: DSRモデル
FSRSはカードごとに3つの値で記憶をモデル化します, 難易度(Difficulty)(自分にとっての難しさ)、安定性(Stability)(衰退するまでの持続)、想起可能性(Retrievability)(今想起できる確率)。各復習を想起確率が目標(例: 90%)に落ちる瞬間に置き、実際の応答でモデルを更新します。
- 難易度(D), カードごとに自分の遂行から学習
- 安定性(S), 記憶がどれだけゆっくり衰退するか
- 想起可能性(R), 現在の想起確率、タイミングを決定
- データ学習, 数億件の復習でパラメータをフィット
FSRSは固定ルールではなくカードごとに想起を予測するので、より賢い時点に配置します, 不要な早期復習が減り、忘れるカードも減ります。
効率の差
Anki自身のベンチマークと独立分析で、FSRSはSM-2と同じ保持目標を約20〜30%少ない復習で達成します。1学期数千枚なら数百回、つまり数時間が節約され、保持率は同等以上です。
| 項目 | SM-2 | FSRS |
|---|---|---|
| モデル化する変数 | 1 (難易度係数) | 3 (D, S, R) |
| カード別適応性 | 低 | 高 |
| 同保持率の復習量 | 基準 | 約20〜30%少ない |
| 目標保持率の設定 | 不可(暗黙) | 可 (例: 90%) |
| データ駆動パラメータ | なし | あり(学習済み) |
| 透明性 | 非常に高い | 中 |
SM-2でも問題ないとき
SM-2は壊れてはいません。小さなデッキ、短い期間、完全に予測可能なスケジュールを重視する人には効率差はほぼ無関係です。数十年の実用と推論の単純さも長所です。
- 小規模・短期デッキ, 節約効果は微小
- 予測可能性重視, SM-2は間隔を読みやすい
- レガシー設定, 触りたくない既存SM-2履歴
Ankiに数年分のSM-2履歴があっても、FSRSを有効化すればその履歴を活用するため、ゼロから始めることはありません。
AnkiでFSRSへ切り替える方法
FSRSは最新Ankiに内蔵されています。デッキ設定でオン、必要なら自分の復習履歴でパラメータを最適化、目標保持率を設定するだけ。切り替えは可逆で既存カードをそのまま使います。
- Ankiを更新, 最新版にFSRS内蔵
- デッキ設定 → FSRSを有効化, トグルをオン
- 最適化, 自分の履歴にパラメータを合わせる
- 目標保持率を設定, 90%が無難な既定
管理したくないなら、FSRSが既定で有効・調整済みのアプリ(Flicaなど)は設定すべきことがありません。
設定なしのFSRS: Flica
FlicaはFSRSを既定で使用します, トグルも最適化ステップも不要。YouTubeリンク、PDF、テキストからAIでカードを生成するので、現代アルゴリズムと現代のカード作成が同時に得られます。
- FSRS既定オン, 初回復習から最適スケジューリング
- AIカード生成, YouTube・PDF・テキストをカード化
- iOS・Android無料, 中核機能無料
- 完全オフライン復習, どこでも学習
FlicaはApp Store(https://apps.apple.com/app/flica)とGoogle Play(https://play.google.com/store/apps/details?id=app.flica)にあります。
FAQ
FSRSはSM-2より良いですか?
ほとんどの学習者にとってはイエスです。FSRSはカードごとに難易度・安定性・想起可能性をモデル化するため、同じ保持率を約20〜30%少ない復習で達成します。SM-2は小さなデッキや完全な予測可能性が欲しいときにはなお有用です。
FSRSは何の略ですか?
FSRSはFree Spaced Repetition Schedulerで、数億件の実フラッシュカード復習で訓練されたオープンソースのアルゴリズムです。各復習を、予測想起確率が目標保持率に落ちる瞬間に配置します。
FSRSに切り替えるとAnkiの進捗を失いますか?
いいえ。AnkiでFSRSを有効化すると既存の復習履歴を活用し、変更は可逆です。カードをリセットしたり最初から始めたりはしません。
FSRSの目標保持率はどれくらいに?
90%が無難な既定です。高くすれば復習は増えますが忘れにくく、低くすれば復習は減りますが失敗が増えます。教材の重要度に合わせて調整しましょう。
FlicaはFSRSとSM-2のどちらを使いますか?
Flicaは既定でFSRSを使用し、インストール後すぐに有効化・調整されているため、設定なしで現代アルゴリズムをそのまま使えます。
結論: FSRSがより良い既定値
SM-2は数十年で地位を築き今でも十分使えますが、ほとんどの学習者にはFSRSがより効率的で適応的なスケジューラです。同じ保持率で意味ある分の復習削減, 長い課程では積み重なります。
アルゴリズム管理をしたくないならFlicaはFSRSを既定でオンにし、AIカード生成も加えます, iOS・Android無料。YouTube講義からデッキを作り、タイミングは現代のスケジューラに任せましょう。
References
- Ye, J. (2023). Free Spaced Repetition Scheduler (FSRS), オープンソースリポジトリとベンチマーク
- Wozniak, P. A. (1990). Optimization of learning, SuperMemo SM-2
- Anki マニュアル, FSRSセクション (2026年5月確認)
- Ebbinghaus, H. (1885). 記憶に関する実験心理学
- Settles, B. & Meeder, B. (2016). A Trainable Spaced Repetition Model for Language Learning. ACL